Absurdists from the ivory tower

 

象牙の塔からの不条理主義者

フォーマリズムや、フォーディズムの影響を受けつつ、現代アートはどのように進化し、社会的文脈と結びついていてきたのか。ポップアートは消費社会を積極的に取り込み、アートと商業的価値を直結させました。この商業化の流れは、アートマーケットの拡大とグローバルな商業ギャラリーシステムの成長を促し、アーティストが自己表現と市場の要請に応える形で作品を制作できるようになりました。加速する技術革新の中で、技法的ユニークさを失ったアーティストはどのように世界を捉え、視覚化しうるのか。かつての労働が、物的生産に従属していたのに対し現代では、非物的な生産、すなわち人々とのコミュニケーションや社会との接続が、新たな労働の中核を成しています。ミニマルアートが暴露したアートの労働性もコンセプチャルアートなどにより、知的労働、脱物質化が芸術的アウラさえも量産を可能にしました。同時に、この流れは脱物質化や商業主義への反動としての「脱アート化」も見られます。これは、植民地時代の芸術に対する再評価とも関連しています。植民地美術は、商業主義やグローバル市場との複雑な関係性を通して、現代アートに新たな視点を提供し、文化的アイデンティティと対話を強調しています。芸術は単なる視覚的な体験から、社会的・政治的メッセージを伝えるものへと変容し、肉体的発露は機械にかわり知的労働すら人工知能が補完しうる時代において人類はなにを芸術とするのでしょうか。
芸術は死んだのか?もしかしたら有史以前の戯れに還元されるのかもしれない。
芸術における労働と技術またはその社会的・文化的背景を元に、制作の主導権をアーティストの手に戻してみようと思う。

ディレクター宮原嵩広

 

伊勢丹新宿店 本館6階 アートギャラリー
2025年2月12日(水)~2月25日(火)
10:00~20:00[最終日午後6時終了]
ビームス ジャパン(新宿)5F 「B GALLERY」
2025年2月8日(土)~2月25日(火)
11:00~20:00
会期中無休

 

作家
オーガミノリ
TENGAone
細井えみか
増井岳人
宮原嵩広

 

キーヴィジュアル
泉美菜子